第2回 IT英語学習法カンファレンスに参加しました。 #itencon

2/29(水)に、第2回 IT英語学習法カンファレンスに参加してきました。

 

スピーカーは、放送通訳者の柴原 早苗さん。

1. 講演 「BBC採用までの道のり」
2. 体験ワークショップ

の二部構成でした。

1. 講演 「BBC採用までの道のり」

[幼少期]

  • 中学校二年生の二学期に日本に帰国。
  • 困った事、日本史の知識が欠落
  • 海外で幼少期を過ごしたのは、発音は覚えるのにはいい環境でした。
  • ただ、4年間覚えた英語の内容を半年で忘れる。

[大学時代]

  • 大学は社会学を先攻
  • そのうち、昔暮らしたイギリスにもう一度暮らしてみたいという想いが募る。(イギリス?オランダ?)
  • 大学の留学生制度・・海外で住んだ事が無い人が対象。制度対象外。断念。
  • 授業がつまらない…内職 ⇒資格試験など形に残るものをやってみよう⇒英検合格(大学3年末)
  • 英検協会から手紙「あなたの英語の内容はすばらしい。海外への短期留学に招待します。夏休みはどうですか?」
  • 大学に相談すると「4年生の夏休みに海外に行くなんて就職活動を捨てるようなもの」と否定される。
  • しかたなく、自力で職探し。KLMオランダ航空募集を見つける。
  • 面接で「初任給20万どう思いますか?と聞かれる。」学生の身でどう答えたよいか悩み「すごいと思います。」と答えたところ印象に残ったらしく採用に。

[仕事時代]

  • 書くのが得意だったので広報部を希望してたが、カート(貨物部)に配属、出鼻を挫かれる。
  • その後、西船橋に異動、通勤に2時間かかり非常に苦痛に、なんとかして欲しく上司をすっとばして支店長にメールで直談判を行い、結果的に一ヶ月で元の職場に戻る。でも新人がそんな事をしていたのでなんとなくいづらく…。
  • やはりイギリスに行きたい想いが募る。
  • 求人広告を見る。JapanTimes の月曜日版には求人広告がいっぱいある。
  • Oxford 大学日本事務所の秘書の募集。企業の社会貢献(フィナンソロフィー)的な位置づけで寄付金集めが主な仕事。(転職して3年ほど勤めた。)
  • 貯金がたまったのでイギリスの大学院に留学。
  • 卒業後、日本に戻っても職が無い「高学歴・高年齢(20台後半)・女性」はデメリット
  • 通訳学校の先生に電話。通訳に採用。フリーランスで活動。
  • イギリスにまた行きたい。行くためにはPh.Dとして行くか仕事として行くかの選択肢しかなかった。
  • JapanTimes をまた見る。BBCの求人の放送通訳者に申し込む。
  • 「デモカセットテープを送れ」面接で放送通訳の経験はなかったが独自に研究している事をアピール。'96年採用。(ただ、待てど暮らせど本採用の連絡がない…問い合わせたら、実はWaiting List の募集だったんそうな。)⇒ いつ声がかかるかわからないので他に就職できずフリーランスままの2年半待ち。
  • 「諦めない。」「それについて考える事をやめない。」「細く、長く、ろうそくの小さな火を消さない。

[BBC入社]

  • ついにBBCに入社。年齢的に結婚はあきらめていたが、なぜか同僚と結婚。子供2001年に生まれる。
  • ただ、その頃、真夜中のシフトも出るぐらい忙しくなった。(実はイギリスは産休、育休が実はあるようで無い。)人事部にかけあい、なんとか育休確保。
  • 日本は収入によって保育料が異なる(稼ぎが少ないと安くなる)という素晴らしい制度⇒イギリスは一律、当時保育料15万円/月程度かかった、毎月の家賃も25万円、通勤手当もでない。(いろんな手当がでない会社)
  • 家計的に無理と判断、旦那さんと日本に帰宅。二人そろって無職に。二人目の子供も生まれそうな時期でご主人の実家に転がり込む。
  • なかなか職が見つからなかったが2003年の春、(ご主人は英語の非常勤講師などしてた)イラク戦争発生。このとき通訳者のイベントがあって東京の通訳が京都にごっそりいっていたタイミング。
  • 知人から放送通訳に戻ってくれないかと依頼。(世の中の流れの不思議)

[好きだったから](10年近く続いた理由。)

  • 個人的にニュースが非常に好き。「好きな事を仕事に結びつけられるというのがモチベーションによい。」
  • 日本に生まれた偶然性にあぐらをかいていてはいけない。「ハイチの復旧より、もっと被害の大きいはずの東日本の復旧の方が早い」好きな仕事だから微力でも世の中の役にたっていきたい。
  • 運と人とのご縁。そのときのタイミング、世の中の動き、ジタバタしてもしょうがないときはじっと待つ。強いて上げるとすれば、手紙を書くのが好き。筆まめでいるのがいろんな人との結びつきを保つのがいいのでは、密に連絡を取り合っていたのがよかったのでは。いろんな人から、生きる力を頂いた。

[Q&A]


Q.「ベースとして幼少時代に身につけたものがあったからでしょうか?」
A.「それはあったかもしれない、ただ子供の知識なので発音程度では。」


Q.「英語をやる目的がピンと来なかった。」

A.「開発はドキュメントが英語、駆り立てるものがあると英語もいいのでは?」


Q.「なんでそんなにイギリスに行きたかったの?」
A. 「ノスタルジア?空気を吸いたいという感じ。オーケストラS席が学生なら当日券が500円で入れるとかいうのもあった。」

 

「よく英語を音読する。好きな事は続く。でも自分はスマートフォンとかダメ、必要にせまられれば…。」


Q. 「海外で働いて苦労することは?」
A. 「物事が日本みたいにうまく機能しません。」
  苦情は「マネージャ出して。」「本社の連絡先出して。」

Q.「イギリス英語<->アメリカ英語の区別はどうすれば」
A.「ポイントはたくさん聞く。スクリプトと音声を並べ繰り返す。各国の方言の法則を掴む。シンガポール人はThを発言できない。 タフラー(Third floor)など」

ここまでが1部、柴原さんの放送通訳者までの道のりが非常におもしろく、海外事情も含めてのめり込んで聞かせて頂けました。

 

2. 体験ワークショップ

ここから二人ペアになりペアワークです。

 [20秒で、下記について日本語で話してみる]

  1. 名前
  2. どこからきたのか
  3. どういうことをしているのか
  4. 英語についての悩みについて。

 「短い時間でもかなり話せましたか?」

  • 英語を覚えるのが目的ではない。
    コミュニケーションは「手段」、それを「英語で」やる。
  • 時間が無い? 20秒でやったのを1分程度も時間は裂けないんですか?
    時間に対する意識を変える。

[シャドーイング]

  • 日本語のニュースをシャドーイングしてみる。⇒1分程の内容でも結構難しい 。
  • 「知っていること」じゃないとなかなか流暢に言えない。
  • 口の筋肉を使って行った方が英語学習によい。
  • 「きちんとした表現」を日本語でも知っている必要がある。英語でもそれは同じ。

 基礎的な文法は重要。
 英語を学ぶのは五感を使った勉強がよい。

[オーバーラップ(英語)]

  • 英語の音声に被せて英文を読む。
  • Vocabulary もちゃんと読む。

[スラッシュリーディング]

  • 意味の固まりで読む。(訳文を見てもOK)
  • タイマーで区切る(だらだらやらない。気を抜くとついつい時間をかけてしまう。)

 逐次通訳の練習にもなります。

[英語の教材]

ベストなものは下記が揃っていること。

  1. 音声
  2. スクリプト
  3. 訳文

逐次通訳の場合メモを(備忘録、速記ではない。)⇒「ポイントを押さえてメモを取る。」

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  • 「生」活が良くなるを上昇の矢印で
  • 2012年、年は重要
  • 「人々」
  • 福島は漢字で書いてる時間は無いので「ふ」
  • 「原」発
  • 「長く」を長い矢印で表現

といったメモを取り易い記法を自分で工夫する。


[暗唱(英文)]

重要な構文を覚えるトレーニング。

  1. 行のうしろから読む。
  2. 一回読んだら文面を見ないで同じ文章を読む。また文面に戻る。読んだら文面を見ないで読む。
  3. 内容を一部置き換えて、言い換えの練習もする。

[音読筆写(英文)]

ディクテーション(口述筆記)する場合、白い紙を使うときは、事前に一定間隔の横線を引いておくとよい(書けなかった所を把握しやすい。)

[Q&A]

Q. TOEICの成績が上がらない場合は?

A. TOEIC は応用力を測るようなもの。英語の教材は自分にとってちょっと難しいぐらいのものがよい。興味のある分野の素材などがいい。


Q. Webの記事など、どうしても英・日の素材が揃わない場合は?
A. 英語のわかる人を捕まえてくる。そういった形で聞いたことは忘れない。⇒ 体験の積み重ねが重要。
一人で読む場合、5分考えてダメなら和訳を読む。いくら悩んでも時間の無駄。

Q. 電車の中の時間を有効に使うには?
A. マスクをしてる人なら、口パクで練習。iTunes の英語素材もよい。
英字新聞を駅で(意識付けのためにわざわざ)買う、日本語の日経新聞は購読で。買ったら鞄の中にしまわず重ねて持つ。電車の中で日本語20分、その後英字新聞20分読む。同様に時事ネタがあるので比較して頭に入る。全部英語で読もうとしない。ある程度流す。

 

以上、一部聞き取れなく自分の中で補完してしまった部分もありますが、大変ためになる勉強会でした。